2006年07月12日

統計学を拓いた異才たち

統計学は私たちのまわりの多くの場所で活躍している。
科学者や工学者は実験結果を統計解析し自分のアイデアの正しさを示す。
また営業の人も統計学を使うことによって
説得力のあるプレゼンができるようになるだろう。

統計を学ぶとよく見かける名前、ピアソン、フィッシャー、
ウィルコクソン、マハラノビス、コルモゴロフなどが
どのような問題に直面していて、
どういう過程で新たなアイデアを思いついたのか、
そして、統計学がどのように発展してきたのかを教えてくれる本。

スチューデントのt検定で知られるスチューデントというのは、
ゴセットという名の研究者のペンネームである。
なぜペンネームを使ったのかというと、
ゴセットはビール会社ギネスで働いていたため、
研究成果を発表することができなかったからである。
こそこそ研究しながら、後世に名を残す手法を開発したことには脱帽する。

フィッシャーは微積分学の確かな知識、
確率分布理論についてのセンスのよさ、
多次元幾何学への感覚を持ち、高度な数学を使いこなし、
実験計画法など新しい統計学を拓いていった。
新分野で名を残すには数学の基礎的な学力が大きな力になるのだろう。

数学者は単独で研究することはほとんどない。
数学なんて1人でもできそうだが、それでは失敗してしまう。
単純な間違いや、おかしな仮定を含んでしまうことはよくあるためである。
自分の新しいアイデアを他者の批評の前にさらさなければならい。
アイデアを批評しあえる仲間をつくることは重要だ。

喫煙するとがんになりやすい、ということを証明するのは難しい。
単に喫煙者とがん患者の相関を調べるだけでは駄目だ。
もしかしたら遺伝子的に喫煙者になりやすいひとは、
遺伝子的にがんになりやすいだけかもしれない。

手法の有効性を示すために仮説検定はよく使われる。
しかし、2つの間の差異がどんなにわずかなものであっても、
実験をかなりの回数繰り返せば有意になってしまう。
有意な差があるかではなく、
差異の程度が大きいか小さいかが重要な場合もあるため、
気をつけて検定を行わなければならない。

統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀
デイヴィッド サルツブルグ David S. Salsburg 竹内 惠行 熊谷 悦生
日本経済新聞社 (2006/03)





posted by xi at 21:19 | Comment(0) | TrackBack(1) |
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/20688785

がん患者大集会に行った後、いま考えていること
Excerpt: 以前、「がん患者大集会」に行ったことを書きました。こちら。集会に参加して感じたことを書いたのですが。その後、ずっと考えていることがあります。うちのお爺、お爺の兄弟は、全員ガンでもっていかれました。わた..
Weblog: Something Good&New
Tracked: 2006-08-05 09:27
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。