2006年06月14日

「不道徳教育」橘玲訳、ウォルター・ブロック著

不道徳という理由で現代社会から虐げられている人達、例えば、売春婦、麻薬密売人、偽札を作る人、環境破壊をする人、闇金融の人達は、実は社会のために役立っていることを論じ、彼らの社会的地位が高いような自由な世界が、よりよい社会であることを説く、リバタリアニズム(自由原理主義)の本。

その論理展開は
1.「不道徳な人」は暴力をともなう悪事をはたらいているわけではない
2.実質的に全てのケースにおいて、「不道徳な人」は社会に利益をもたらしている
3.もし「不道徳な人」の行為を禁じるならば、私達自信が損失をこうむってしまう
というものである。

リバタリアンは、国家の存在しない世界を理想とする。国家が存在しなければ、戦争も貿易不均衡も起こらない。アダムスミスは、だれもが自由に生きれば、市場の見えざる手によってすべての人が幸福になれると考え、リバタリアンも同様に考える。

例えば、覚醒剤密売人は憐れな隣人を救済するただ1人の人間であると言う。

法による覚醒剤の禁止により、覚醒剤の価格は天文学的数字になってしまった。シャブ中毒者はこのお金が払えないために犯罪を起こしてしまう。つまり、覚醒剤取締法によって、薬物関連犯罪が増えてしまうのである。一方、密売人がこの業界に参入してくることによって、覚醒剤の末端価格は引き下げられる。需要は変わらず、供給は増えるためである。価格が引き下げられることによって、犯罪に手を染めなくても覚醒剤を購入できる人が増え、犯罪が減る。つまり、密売人により、中毒者や犯罪被害者の生命を守り、いくばくかの悲劇を防いでいるのである。

極端な議論を通して、リバタリアニズムの思想を分かりやすく学ぶことができる。

不道徳教育
不道徳教育
posted with amazlet on 06.06.14
ブロック.W 橘 玲
講談社 (2006/02/03)




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