2006年06月08日

「上達の法則-効率のよい努力を科学する-」岡本浩一

努力したからといって上達するわけではない。上達には法則がある。その法則を、認知心理学、学習心理学、記憶心理学をベースに科学的に分析する本。

ある分野で上級者になった人は、他の分野でも習得する必要が生じたら、ある程度の上達ができるという自信を持っている。また、上達の仕方(自発的にモチベーションを高める方法など)を知っているので、どの分野でも上達できる可能性が高い。まだ自分で自信を持って上級者といえるものがない人は、何でもいいから上級者になってみよう。その経験が仕事や他の趣味などでも生きるはずである。

忘却は学習してから24時間後、72時間後、7日後に大きく生じる。そのため週に2回学習すれば、1回に比べて上達の速度は飛躍的に上がる。週3回にしてもそれほど効果が上がるわけではない。週に2度くらいの学習を努力目標とすると、学習心理学的に効率よく上達できる。

上級者になるためには、同じ訓練を何度も繰り返ししなければならない。しかしだからといって退屈になるわけではない。上級者のほうが、同じ局面でも多くのものを読み取ることができるので、中級者に比べて退屈しにくい。同じことの繰り返しの中で、新しい発見をし楽しめるようになってきたら、上級者の証である。

なにかひとつを「得意」と決め、その小さな部分に大きなエネルギーを集中する時期が、上級者になるためには必要である。得意を作ることにより自信を持つことができる。また、得意を基盤にして他の部分を考えることにより、深い洞察が可能になる。

イメージトレーニングにより、記憶システムが鍛えられ、なかなか体を動かしても上達できないことが、習得できることもある。また、他者の演技やプレー、作品を見るときに、その他者に感情移入する練習は有効である。単にプレーを真似するだけではなく、その人の気持ちまで真似することにより、自分のものにできる。

大量の暗記も必要である。暗記によって根幹部分の知識が増え、また、暗記のプロセスによって認知プロセスが鍛えられる。上級者になると暗記で吸収された知識は活用可能な知識となるので、暗記が無駄になることはない。

他にもスランプの脱出法などが書かれている。スランプは次の大きな飛躍のきっかけになることも多い。スランプのときに、自分の知識や技能を基礎から見直すことが必要になることが多いからである。スランプだからといって悩むのではなく、チャンスと思って取り組もう。

上達の法則―効率のよい努力を科学する
岡本 浩一
PHP研究所 (2002/05)
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5 やり直す前に・・・
3 内容には異論がないが・・・
5 上級者と中級者との質的な差とは何か…





posted by xi at 21:46 | Comment(0) | TrackBack(0) |
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