2006年05月09日

「科学者という仕事−独創性はどのように生まれるか−」酒井邦嘉

アインシュタインやニュートンなど科学者がどのように独創的なアイデア
を生み出していったかを考える本。
科学者に限らず、サラリーマンにも独創的なアイデア発想のヒントになるだろう。

本を読むのもいいが、なるべく原論文を読みなさい。
そこにはナッセント・ステート(発生期の状態)の理論がある。
朝永振一郎
確立された理論は教科書に分かりやすく載っている。
それを読んで勉強してモノにすることも必要だが、
まだ生まれたばかりの、時には生まれる途中のアイデアが書かれた
原論文を読むことによって、新しい理論を生み出す創造性が磨かれる。

疑は知の基である。よく疑う者はよく知る人である。
恐るべきは権威ではなくて無批判な群集の雷同心理でなければならない。
寺田寅彦
子供のように周りのものに疑問をもち、思考する。
まわりの人が当たり前と思っていることを疑うことから、科学は始まる。

いかなる天才といえども無から有を生むことはできない。
必ず手本がいる。人類最高の知者ニュートンにおいてもしかりである。
藤原正彦
ベートーベンも習作時代に変奏曲を数多く書き残し、
先人の楽曲を主題として模倣し、創造力を確かなものにしていった。
独創的なアイデアが生まれないと嘆いていても何も進まない。
その道のトップもしくは先輩を模倣し、知識、技術を習得すると
おのずと独創性がついてくる。

そもそも正しい方向に進んでいるのかさえ私には定かではないのです。
アインシュタイン
あのアインシュタインでさえ、創造の生みの苦しみを感じているのである。
生みの苦しみを感じて挫折する必要なんてない。

研究の新しい着想には、異分野の発想が役立つことが多い。
実際、チョムスキーは多くの時間を専門以外の分野の文献を
読むことに充てていると語っている
これは発想法でよく言われることである。
異分野の思わぬつながりが独創性を生むのである。

教師にも、ほめて育てるタイプと
叱咤激励するタイプとの両方がある。
だから、他人の評価に一喜一憂しても仕方がない。
自分で本当に良いと思える仕事を残すことが大切で、
評価は二の次なのだ。


こつこつと実験を積み重ねてきたから、
いつもと違う現象が起きたときに、それを見過ごすことなしに
ピンとかんじることができた
田中耕一
偶然による発見(セレンディピティー)は、
ぐうたらとしていても起こらない。
真剣にそのことに考え取り組んでいる下地が必要なのである。

何か疑問が生じたときに、考える前にインターネット上で検索してはいないだろうか。その時すでに考えることを放棄しているのだ
情報収集にかかるコストが極端に小さくなったので、答えを自分で考えるよりもネット上で探す方が早くすむ。しかし、それを続けていたら考える力が落ちてしまう。受験勉強のとき答えを見ながら問題集を解いても、後で同じ問題をやっても忘れていることが多いだろう。答えを見る前に(情報収集する前に)ちょっとでもいいから自分なりの解答を出すことで、ネット上では見つからない問題にも対処することができるようになるだろう。

研究者と教育者の違い
研究者の仕事とは「まだ分かっていないことを人に分かるようにすること」。教育者の仕事は「すでに分かっていることを人に分かるようにすること」


一流の教師の質問術
たいていの教師は、生徒が何を知らないかを見つけ出すために質問しますが、本当の質問術は、生徒が何を知っているか、あるいは知る能力があるかを尽きて盛ることに向けられるのです


基礎研究者ための模範問答
M・ファラデーの新しい発見に対し、イギリス首相が「それは何の役に立つのか?」とたずねたとき、ファラデーは「生まれたての赤ん坊は何の役に立つのですか?」と答えたと伝えられている






posted by xi at 22:01 | Comment(0) | TrackBack(0) |
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