2006年05月23日

「第1感 最初の2秒のなんとなくが正しい」マルコム・グラッドウェル

熟考するよりも直感で正解を導くことができることがある。理由を言葉にすることはできないが、なんとなく正しいとわかる。そんな直感(第1感)の大きな力、怖さ、操り方を教えてくれる本。

人類が厳しい生存競争を勝ち残れてきたのは、情報がわずかでも素早く的確な判断を下す能力を発達させてきたからにほかならない。高度な思考の多くを無意識に譲り渡してこそ、心は最高に良く働けるのである。

問題を予測するには大量のデータを多様な場面から拾ってくる必要があると普通考える。しかし、それが当てはまらない場合もある。ジョン・ゴッドマンは夫婦の会話のビデオを1分間解析するだけで、その夫婦の15年後を95%の確率で予測してしまった。しかも、4つの感情だけに注目してである。それができたのは、結婚生活という複雑な活動でも、人間の活動の基本的な部分には、区別できる安定なパターンが存在するためである。そして、大量の情報に惑わされることなく絞り込んだ点のみに集中したためである。

情報が増えるほど、判断の正確さに対する自信は不釣合いなほど高くなってしまう。しかし、情報が増えても大して判断が正確になるわけではない。さらに、自信を持つほど正確な判断ができなくなる。

私たちは無意識の行動を結構している。老化に関係する言葉を聞くだけで無意識に老人のような歩き方になるという心理学実験(プライミング実験)もある。無意識から生まれた思考について説明をしようとしてもうまくできない。言語化することによって直感が損なわれてしまうこともあるくらいである。左脳は言葉で考え、右脳は視覚で考える。言葉で説明しようとすると、思考が右脳から左脳に追いやられてしまうのである(言語による書き換え)。

しかし、無意識の感想は経験を重ねることで、直感の意味を読み取れるようになる。また、瞬時に正確な判断を下すためには、訓練とルールとリハーサルで決まる。バスケットボールでも即興芝居でも、単純な行動のルールを決め、繰り返し訓練することで、本番で素晴らしい結果を残すことができる。

メモ

一般に経済学では選択肢が多い方が商品が購入される確率は高くなるといわれている。しかし、選択肢が6種類の場合立ち寄った客の30%がジャムを買った。一方、種類が多いときにジャムを買った客は3%だった。選択肢が多すぎたため、無意識の処理能力を超えてしまい、瞬間的に買うという判断ができなくなってしまったためだ。

差別意識テスト(ITAテスト)
https://implicit.harvard.edu/implicit/japan/selectatest.jsp
人種、体重、性別、国籍、同性愛、年齢に対する無意識の差別意識を教えてくれる

感覚転移
製品のパッケージに対して抱いた感覚や印象を、製品そのものに転移させてしまう

市場調査は完璧ではない
市場調査でペプシの方がおいしいという結果がでたが、シェアは増えなかった。少量だけ飲む試飲による市場調査では1本飲んだときの感想と変わってしまうことがあるためである。

第1感  「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
M・グラッドウェル 沢田 博 阿部 尚美
光文社 (2006/02/23)


posted by xi at 23:16| Comment(5) | TrackBack(2) | 機械学習 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。