2006年03月29日

「行動分析学入門」杉山尚子

行動分析学とは、人間の行動の原因を解明し、
法則を見出そうとする科学である。
また原因の解明を通じて、よりよい方向に改善することも目的としている。
応用先として、自閉症、発達障害、教育、組織行動マネイジメント、
パフォーマンス・マネイジメント、スポーツ行動分析など様々あり、
医者だけでなく、先生、社長、スポーツ選手など、
全ての人が知っておいて損はない知識である。

「行動分析学入門」はその基礎から分かりやすい例をまじえ教えてくれ、
その効果的な使い道も示してくれる。

行動分析学では、行動の原因を心の中ではなく、
行動とその行動がもたらす効果(行動随伴性)に求める。
例えば、タバコをやめられない原因は意思が弱いからとよく言われるが、
禁煙を決意したのにタバコを吸っていることを別の言葉で言い換えただけ、
すなわちラベルづけしただけにすぎない。

行動は「レスポンデント行動」と「オペランド行動」とに大別できる。
レスポンデント行動とは、原因となる外界の刺激があらわれ、
次にそれに反応して行動がおこるものを言う。
オペランド行動とは、行動の後に発生することが
行動の原因になるものを言う。
例えば、ごみが目に入って涙を流すのはレスポンデント行動であり、
部屋を明るくするために電気のスイッチを押すのはオペランド行動である。

好子とはその人にとって嬉しいこと好ましいことであり、
嫌子とはその人にとって嫌なことである。
ある行動をした結果、好子出現、もしくは、嫌子消失があれば
繰り返し同じ行動をするようになり(強化)、
好子消失、もしくは、嫌子出現があれば
同じ行動をしなくなる(弱化)。
これでまわりの人の行動を分析する癖をつけると、
世の中の見え方が変わってくるかもしれない。

好子は行動したら毎回出現しなくても行動が維持されやすいのに対し、
嫌子は頻繁に与え続けないと行動をやめさせられない。
また、たまに好子を出現させた方が連続的に与えるよりも、
行動がより継続的になる傾向がある。

行動分析学が教える人および自分を動かす術

よいリーダーシップとは、指示→観察→フィードバックの1セットを
短期間で完結することである

具体的な行動で指示をする(行動的翻訳)
○「毎食後、オレンジジュースをグラスに1杯ずつ飲みなさい」
×「ナトリウムを控えてカリウムを多めに摂取しなさい」

目標の達成方法:シェイピング
現時点で達成可能な目標を設定し、安定して達成できるようになったら、
すこしずつ目標を引き上げ、最終目標を達成すること

教え方:逆行チェイニング
子供に歯磨きを教えるときなどは、
はじめの方を手伝って、最後のプロセスを自分でさせる。
最後のプロセスができるようになったら、最後から2番目、
その次は最後から3番目と順に一人でやらせ、最終的にはじめから
自力でできるようにする。
最後の締めだけは自分でさせ、達成感を味わわせるところがみそ。
「仕上げはお母さん♪」ではなく「仕上げは自分♪」で。

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由
杉山 尚子
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5 行動分析学を人材育成に生かしたい
3 教科書的過ぎ・・・
4 「新しい」心理学

posted by xi at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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